熱分解でゴミの新たなリサイクル処理

ゴミ山

ゴミの処理問題は世界中で最も緊急度の高い課題となっています。
その最大の問題点は、ごみを燃やすことによる温室効果ガスの発生。

焼却炉でゴミを燃やすとたくさんの二酸化炭素が発生します。
それが温室効果ガスと呼ばれ地球温暖化の大きな原因となっているのです。
地球温暖化が進むと、人間だけではなく動植物にも大きな害が及びます。

それでゴミを削減するために、自治体はゴミの回収を有料化したり、リサイクル率を上げるための努力をしています。
しかし残念ながら、ペットボトルなどのプラスチックごみの回収率は、世界中でわずか9%と言われています。
ほとんどのプラスチックごみは、埋め立てに使われたり焼却されていて、それが地球環境に影響を及ぼしているのです。

また、ポイ捨てやゴミの不法投棄によって、山や海などの環境も破壊されているという現状も見過ごせません。

仮にプラスチックごみをリサイクルできたとしても、引き続きプラスチック製品として使用されるのであれば、その処理の問題が先送りされるだけのことです。

そうした問題に、プラスチックを含む有機物を熱分解し、まったく違う物質であるセラミックに生成するという方法で取り組んでいるのがフューチャーエナジー株式会社(東京都)です。

同社が開発したこのリサイクルシステムは、遠赤外線による熱分解の力を利用しています。
化学的に分解された有機物は、陶器やガラスなどのの材料として使えるセラミックスを生成します。

このシステムは良い事尽くめです。
まず、焼却ではなく熱分解なので、二酸化炭素の発生を大幅に削減することができます。
混在廃棄物を処理できるので、ゴミの細かな分別は必要ありません。
遠赤外線による分解なので装置本体が高温になることはなく、極めて安全性が高い処理方法です。
また一度導入してしまえば、廃棄物処理にかかるコストを大きく下げることもできます。

この電子リサイクルシステムによる処理はは処理前のゴミを300分の1程度まで減容することができ、最終的に残ったセラミックスはリサイクルするという流れになっています。

このシステムは、
SDGs9 産業と技術革新の基盤をつくろう
SDGs11 住み続けられるまちづくりを
SDGs13 気候変動に具体的な対策を
SDGs14 海の豊かさを守ろう
SDGs15 陸の豊かさも守ろう
など、SDGsの多くの目標の達成に寄与する大きな役割を担うことでしょう。